発根

2012.02.07

「種から最初に出てくるのは、芽ですか？、根ですか？、どちらが先ですか！」と抑揚のある津軽弁で力強く、そしてゆっくりと問いかけられた木村秋則さん。
「それは根なんですよ、発芽というのは間違いなんです、”発根”なんです！」ともう一段力強い津軽弁で教えてくれました。（皆さんも津軽アクセントでどうぞ！）

2月5日と6日に東京で無肥料自然栽培の勉強会が行われまして、参加してきました。
もう数十年間の実践者から始めたばかりの人まで、全国から30名ほどの農家が自身の現況などを、それぞれ発表し、質問するスタイルです。
なぜか私も発表することになりまして、いい経験をさせてもらいました。
意識の高い方々が多く、いい影響を受けそうです。自分なりには「観察と実験」をもっと積極的に行ってウエダオーチャードの型にしたいと思っています。

二日目の最後に木村さんのお話があり、ひと言も聞き漏らすまいという皆さんの”気”が最前列にいた私の背中にビシビシ伝わりました。
木村さんの話しはいたってシンプル、栽培の基本だけです。

「病気や生育不良は根に原因があるんですよ」
「肥料を与え過ぎると根は育ちません、肥料が少ないほど根は育ちます」
「この栽培は根を育てます、だから上部が遅れて育つ、これで良いのです」
「この栽培で育った物は、その野菜本来の味になります」

この無肥料自然栽培には、ひと昔前の自然農の宗教的な考えや縛りがありません。
これはひとえに木村さんの人柄でしょうね。威圧感やカリスマ性は感じられず、人情溢れる東北のおじさんそのままです。このおじさんが立てた波が、予想以上に大きくなっているみたいです。

奇跡はリンゴだけじゃなく、あらゆる方面で起こるのではないでしょうか！