北かれんの特性

2015.07.30

ウエダオーチャードの後半のメロン”北かれん”です。
7月末現在メロンハウス全８棟中６棟目を収穫しています。（圃場履歴表公開中）

本州の梅雨明けとともに北海道に”蝦夷梅雨”と呼ばれる時期が多少あり、今がその真只中となっております。（今年はやや長め）
夜温も湿度も高めで気温差が少ないとメロンの仕上がりにも影響がでまして、7月中旬のいい時に比べるとメロンの糖度も1〜2度下がり気味となります。また病害虫に適した環境となって活発化し、メロンだけでなく北海道の農家はやや苦慮する時期と言えます。

その中でこの北かれんの特性が素晴らしく発揮されているので報告です。
えそ斑点病とアブラムシ耐性の特性をもつこの北かれんは北海道の公的育種機関で開発された新しい品種です（ゆめてまりと同じ機関で同じ研究者）。現在は札幌の大学農園という老舗の種苗会社で育種販売しています。
バイオテクノロジーを駆使して品種改良というわけでなく、数ある親種のメロンを掛け合わせ実験の積み重ねの結果だそうです。北海道は年一作なので地味で根気のいる作業だと思います。

収穫時のメロンを見れば解る人はすぐ解るのですが、アブラムシの排泄汁による黒い汚れが無く奇麗な表皮をしています。この時期に（特にアブラムシが多いこの夏に）無防除でこの外観はメロン農家にはやや信じ難い事ではないかと思います。信仰やお祈りでこうなる訳ではありませんよ〜（笑）

写真の手前部分は青肉キングメルティを育てていたのですが、入り口付近ということもあり最初にアブラムシがたくさん着いてしまい、収穫時期になったのですが葉っぱの機能が落ちるため糖度が上がらず、無惨な姿となり結局株ごと全部破棄処分してしまいました。（キングメルティ待たれてるお客様すいません、次のハウスでご提供します）
そのメルティに着いたアブラムシはこの時期旺盛に繁殖して、すぐ成虫羽虫となりこのハウス内を飛び回ります。北かれんの葉裏にも成虫羽虫は着くのですが、アブラムシの好まない葉形状なんだそうで幼虫は吸引し難いらしいです。なので爆発的に増える事はなく、驚くほどに葉の健全も保たれまして糖度も気温差による影響のみで済んでいます。（この時期でも15度平均で推移）

これは有機栽培や減農薬栽培したいメロン農家にはかなりのアドバンテージだと思います。ゆめてまり同様に北海道で育種されてますので、季節や気候により種に伝達される遺伝子や環境情報も、ほぼ同条件で栽培できますので、海外産の種よりは素直に反映されやすく健全に育ちやすいのではないかとも個人的に感じています。

ウエダオーチャードは前半のゆめてまり、後半の北かれんの赤肉2品種で6月下旬から8月お盆までのメロンシーズンを快適に栽培できてます。個人で販路をお持ちの北海道のメロン農家さん、ぜひこの2品種を作ってみてください！質問があれば何でもお答えします。